災害に強い秩父
地震大国と言われる日本。
地震は地球の表面を覆うたくさんのプレートの沈み込みによって引き起こされます。
日本列島は、このプレートが交差点のようにぶつかり合う境界の上に位置しているため、とても地震が多いんです。
そんな地震大国において、秩父に築100年を超える古民家が多く残っているのはなぜでしょうか。
もちろん代々大事に住まわれてきたからというのが一番ですが、地震で家が壊れることが少なかったことも理由の一つでしょう。
そうなんです。秩父は地震災害がとても起こりにくい土地なんです。
今回は、災害に強い秩父ついてのお話です。
堅固な地盤と太古のロマン
秩父は武甲山や雲取山をはじめとする秩父山地に囲まれています。
この秩父山地は「日本地質学発祥の地」と呼ばれるほど、先進的に地質の研究が行われてきました。
貴重な化石も多く発掘されていますので、秩父へ観光の際は是非「埼玉県立自然の博物館」へ足を運んで、太古のロマンを感じてみてくださいね。
さて、秩父山地の地盤ですが、とても堅固なもので、地震の大幅に揺れを抑えることができます。
この堅固な地盤に囲まれていることで、平均的な固さの地盤である秩父市街地でも、県内平野部より地表の揺れが小さくなるのです。
秩父で震度5弱以上を観測したのは過去1度(東日本大震災)のみで、首都直下地震が発生しても、秩父地域は震度4以下と想定されています。
水害にも強い!
秩父は荒川の上流に位置し、周囲に4つのダムがあります。
過去には寛保2年江戸洪水(1742)など、大雨による被害がありましたが、現在ではこの4つのダムで適切に水位の調整を行うため、大規模な水害も比較的少ない地域と言えます。
これらのことから、秩父が災害に強い安全な土地だということがお判りいただけたと思います。
予測できない災害に備えて
ですが、災害はいつ起きるかわかりません。
令和元年に発生した台風19号では、秩父地域も橋や一部家屋への浸水、土砂崩れ等の甚大な被害が起きました。
地震も同様に、揺れが抑えられるといっても揺れないわけではないのです。
安全と言われる土地であっても、災害が起きないわけではありませんので、やはり「もしも」の備えは必要です。
秩父で古くから大切に受け継がれてきた家は、建設当時は最新でも、大きな災害が起きるたびに改定される現代の耐震基準を満たしていないものも多くあります。
もしもの災害に備えて、リノベーションやリフォームで最新の耐震補強をすることをお勧めします。